TikTok Shop「LIVEオークション」とは?仕組み・出品条件・手数料・向く商材を解説
2026年4月、TikTok Shopに「LIVEオークション」機能が日本で導入されました。LIVE配信中にカウントダウン入札形式で商品を販売できる仕組みで、視聴者がリアルタイムで競り合いながら購入するという、従来のLIVEコマースにはなかった参加型のショッピング体験を提供します。
とくにトレーディングカードや中古品、一点ものの限定商品など、希少性の高い商材を扱うセラーにとっては新たな販売チャネルとして注目されています。一方で、利用にはセラーとしての一定の実績が必要であり、入札ルールや禁止事項も通常のLIVE販売とは異なります。
この記事では、LIVEオークションの仕組み・利用条件・手数料・出品の流れ・向く商材と向かない商材を、公式情報にもとづいて解説します。なお、通常のLIVE配信の準備や運営についてはライブコマースの解説記事、配信中のトーク構成についてはLIVE配信の台本の作り方をご覧ください。
17LIVE株式会社の経営企画室に参画し、戦略立案から新規事業開発までを担当。PGCコンテンツ立ち上げの企画・推進をリードし、ライブ配信領域に新たな収益モデルを構築。その後、プラットフォーム側の立場でTikTok LIVEの日本市場ローンチに参画し、クリエイターマネジメント体制の構築とクリエイターエコノミーの基盤設計を担当。LIVE配信機能の最適化とユーザー体験の改善を牽引した。2025年6月、プラットフォーム側で培った知見をブランドの売上に還元するためU PLUS株式会社を創業。TikTok Shop公式認定パートナーとして約4,000名のクリエイターネットワークを運営し、TikTok Shop売上ランキング美容部門1位を獲得。
- TikTok ShopのLIVEオークションは2026年4月に日本で導入された機能で、LIVE配信中にカウントダウン入札形式で商品を販売できる。落札時に登録済み決済手段へ自動課金される仕組みのため、通常のLIVE販売とは購入フローが異なる
- セラーの利用にはShop Start Up期間の卒業・ONRR 0.7%未満・違反なしなどの条件があり、中古品を扱う場合は古物商許可証の提出も必要。出品方法は「常設出品」と「一時出品」の2種類がある
- 一点もの・コレクティブル・限定品など希少性の高い商品に最適化されており、量産品の定番販売には通常のLIVEコマースのほうが適している
LIVEオークションの仕組み|通常のLIVE販売との違い
LIVEオークションは、通常のLIVE販売と同じくTikTokアプリ内で購入が完結しますが、価格の決まり方と決済のタイミングが大きく異なります。
| 項目 | 通常のLIVE販売 | LIVEオークション |
|---|---|---|
| 価格 | セラーが事前に設定した固定価格 | 視聴者の入札により決定 |
| 決済タイミング | 購入者が能動的に決済 | 落札時に登録済み決済手段へ自動課金 |
| キャンセル | 注文後1時間以内はキャンセル可 | 落札後のキャンセル不可 |
| 商品の性質 | 量産品・在庫品が中心 | 一点もの・コレクティブル・限定品に最適 |
| エンゲージメント | 商品紹介+質疑応答 | カウントダウン+入札競争による高い緊迫感 |
通常のLIVEコマースが「固定価格で商品を紹介し、視聴者に購入を促す」スタイルであるのに対し、LIVEオークションは「視聴者同士が入札で競り合い、コミュニティが価格を決める」という参加型の販売形式です。カウントダウンタイマーによる時間制限が緊迫感を生み、視聴者の滞在時間やエンゲージメントの向上が期待できます。
TikTok Japan公式の発表では、LIVEオークションを「ディスカバリーEコマースの進化形」と位置づけており、固定価格販売ではできないコミュニティ参加型の購買体験を提供する機能として設計されています。なお、TikTokはプラットフォーム提供者であり、オークションにおける売買契約の当事者ではありません。商品の品質や取引に関する責任はセラーが負います。
セラーの利用条件|事前審査に合格する必要がある
LIVEオークションはすべてのセラーがすぐに使える機能ではありません。TikTok Shopの公式ドキュメントでは、以下の条件を満たすセラーに利用が認められています。
セラーアカウントの要件
- Shop Start Up期間(初期研修期間)を卒業していること
- ONRR(注文ネガティブレビュー率)が0.7%未満であること
- 重大な知的財産権違反がないこと
- 未解決の違反やリスクのある行動がないこと
- アカウント残高に支払い問題がないこと
- TikTok Shopにおいて良好な状態(Good Standing)であること
配信アカウントの要件
セラーの公式アカウントまたはマーケティングアカウントで配信する場合、CHR(クリエイターヘルスレーティング)スコアが150以上であることが追加で求められます。また、重大な知的財産権違反・コンテンツ違反がないことも条件です。
中古品を扱う場合の追加要件
中古品をLIVEオークションで販売するセラーには、古物商許可証の提出と仕入伝票の提出が必須です。さらに、中古トレーディングカードで販売価格が3万円を超える場合は、認定鑑定機関による鑑定書の提出が求められます。
これらの要件はTikTok Shopが出品の信頼性を担保するための仕組みであり、アカウントの健全性評価(AHR)とも密接に関連しています。
出品方法は2種類|常設出品と一時出品
LIVEオークションでの出品には、常設出品と一時出品の2つの方法があります。
常設出品(Permanent Listings)
セラーセンターで事前に商品を登録し、LIVE配信でオークションにかける方法です。LIVE終了後も商品ページが存続するため、定期的に在庫を補充して繰り返し出品する商品に向いています。通常の商品登録と同じ要領でセラーセンターから作成できるため、商品情報の入力や画像の準備を事前に済ませておけます。
一時出品(Temporary Listings)
LIVE配信中にLive Managerから直接商品を作成・出品する方法です。LIVE終了後に自動的に削除されるため、一点ものやトレーディングカード、限定品に最適です。配信しながらその場で出品できるため、実物を見せて状態を説明しながら即座にオークションを開始するといった使い方が可能です。
| 比較項目 | 常設出品 | 一時出品 |
|---|---|---|
| 作成場所 | セラーセンター(事前) | Live Manager(配信中) |
| LIVE終了後 | 商品ページが存続 | 自動削除 |
| 向く用途 | 繰り返し出品する定番商品 | 一点もの・限定品 |
| 一括登録 | セラーセンターの標準機能 | CSV/Excel(最大500行) |
| 在庫連動 | 通常在庫と連動 | 通常在庫とは非連動 |
一時出品の特徴をまとめると以下の通りです。
- 1出品あたり最大1,000ラウンドのオークションが設定可能
- 審査時間は通常20〜30秒(最大2分)で、配信のテンポを崩しにくい
- 連番が自動付与される(「Auction #1」「Auction #2」…)
- CSV/Excelによる一括アップロードにも対応(最大500行)
- 通常の在庫とは同期しない
入札の仕組み|入札モードと入札単位
3つの入札モード
オークション開始時に、以下の3つのモードから選択します。
| 入札モード | 動作 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| タイムドオークション | カウントダウンがゼロで終了。延長なし | テンポよく次々と出品したい場合 |
| 延長入札 | 残り10秒以内に入札があるとタイマーが10秒にリセット | 高額商品で十分な入札を集めたい場合 |
| サドンデス | タイマー延長を無効化 | 延長入札を短時間で決着させたい場合 |
カウントダウン時間は30秒・1分・2分から選べます(一時出品は最大5分)。30秒は緊迫感が最も高く、回転率を重視する場合に推奨されています。
入札単位(増分)
入札額は現在の価格帯に応じた固定の増分で上がります。自由な金額では入札できません。
| 現在の価格帯 | 入札の増分 |
|---|---|
| 0〜3,000円 | 100円 |
| 3,001〜10,000円 | 200円 |
| 10,001〜30,000円 | 500円 |
| 30,001〜80,000円 | 1,000円 |
| 80,001〜150,000円 | 2,000円 |
| 150,001〜250,000円 | 5,000円 |
| 250,001〜500,000円 | 10,000円 |
上限入札価格は50万円です。この価格に達した時点で即時落札となります。
自動入札(Max Bid)
購入者は上限額を設定して自動入札を利用できます。システムが最小必要額で代理入札を行い、設定した上限を超えることはありません。自動入札を含め、すべての入札は法的拘束力のある申込みとして扱われます。
落札から決済の流れ
- カウントダウン終了 → 最高入札者が自動的に落札(画面に「sold」と表示)
- 落札者の登録済みクレジットカード・デビットカード・Apple Payに自動課金
- 注文が自動生成される
- 決済が失敗した場合は15分間の猶予期間が与えられ、支払い方法を更新できる
- 15分以内に決済できない場合 → 注文は自動キャンセル
- セラーは未払いの商品を同じLIVEセッション内で再出品できる
通常のLIVEコマースでは購入者が能動的に「購入ボタン」を押しますが、LIVEオークションでは落札時点で自動的に決済が走る点が大きな違いです。
手数料
LIVEオークションで販売した商品にも、TikTok Shopの販売手数料が発生します。手数料率はカテゴリ別に7〜12%で、通常の販売と同じ料率体系です。
公式ドキュメントにはLIVEオークション固有の追加手数料に関する記載はありません。2026年6月には「LIVEオークション手数料無料キャンペーン」が実施された実績があり、導入促進のためのプロモーション施策が今後も出る可能性があります。
手数料の計算式は通常の販売と同じです。
> 手数料 = 手数料率 ×(購入者の支払額 + プラットフォーム割引 - 返金額 - プラットフォーム割引返金額)
手数料率の詳細やカテゴリ別の料率一覧は手数料の解説記事をご覧ください。
サプライズセット|ミステリーオークション機能
LIVEオークションには、サプライズセット(Surprise Sets)というミステリーオークション形式の機能も用意されています。落札者がキュレーションされた商品プールからランダムに選ばれた商品を受け取る仕組みで、当選時にプライズホイールのアニメーションが表示されます。
サプライズセットの主な仕様は以下の通りです。
- 最大500個/セット、上限入札額10万円
- セット内の商品は同一または関連性の高いカテゴリに属する必要がある
- 商品の市場価値が合理的な範囲で同等であること
- リアルタイムで数量・当選確率が表示される
- PCのLive Managerでセットアップ(管理・起動はPC・スマホ両方可)
- 現在は一部のセラーのみ利用可能(段階的に拡大中)
なお、「ジャックポット」「大当たり」など極端な価格差のある商品を含めたり、運やランダム性を過度に強調するメッセージは、TikTok Shopのギャンブルに関するコンテンツポリシーで禁止されています。
禁止事項と注意点
LIVEオークションには、通常のLIVE販売にはない固有の禁止事項があります。
出品・入札に関する禁止行為
- シル入札(Shill Bidding) — 価格を吊り上げるための共謀入札
- 入札プロセスの改ざん — ボットや自動化ツールの使用を含む
- プラットフォーム外取引 — TikTok Shopのシステムを迂回する売買
コンテンツに関する禁止事項
- 「賭け」「宝くじ」「ジャックポット」「チャンス」などのギャンブル用語の使用
- サイコロ、ルーレット、スロットマシンなどのギャンブル風デザインの使用
- 運や偶然性を強調するメッセージ
オークション中の制限
- オークション開始後に商品の編集・削除はできない
- オークション条件(時間・入札価格・構成)の途中変更はできない
- 同時に複数のオークションを並行できない(1回に1商品)
違反した場合は、オークションのキャンセル、今後のLIVE入札への参加制限、重大な場合はアカウント停止などのペナルティが科される可能性があります。ペナルティの仕組みについてはアカウント停止・違反ペナルティの解説記事もあわせてご確認ください。
なお、TikTokはLIVE配信のコンテンツを録画・保存する権利を有しており、紛争が発生した場合の証拠として、また品質最適化の目的で配信内容が参照される場合があります。購入者も取引に関する確認のために録画にアクセスできます。
向く商材・向かない商材
LIVEオークションが効果を発揮するのは、希少性や限定性のある商品です。逆に、量産品の定番販売には向いていません。
| 向いている商品 | 理由 |
|---|---|
| 中古トレーディングカード | 一点ものの特性と、コレクター間の競争心理がマッチする |
| ヴィンテージ・中古品 | 状態やコンディションをLIVEで見せながら入札できる |
| 限定コラボ商品 | 希少性による入札競争が期待できる |
| 先行販売アイテム | 「ここでしか買えない」体験がオークション形式と相性がよい |
| 向かない商品 | 理由 |
|---|---|
| 定番の量産品(日用品・消耗品) | 固定価格で売れるものを入札にかける必然性がない |
| 低単価の大量販売品 | 入札1件ずつの運用コストに見合わない |
| 説明が複雑な高機能商品 | オークションのカウントダウン中に十分な説明ができない |
TikTok Shopの公式発表によると、ローンチ時点(2026年4月)では中古品関連カテゴリが中心であり、今後は限定版ブランドコラボレーションや先行販売アイテムなど、対象カテゴリを段階的に拡大する計画が示されています。
自社の商品がLIVEオークションに向いているかどうかの判断は、「その商品に希少性があり、複数の購入者が入札で競り合う動機があるか」がポイントになります。量産品を扱うセラーは、通常のLIVEコマースやフラッシュセール機能を活用したほうが効率的です。TikTok Shopで売れやすい商材の傾向もあわせて参考にしてください。
よくある質問
まとめ:LIVEオークションは希少性のある商品の新たな販売チャネル
TikTok ShopのLIVEオークションは、カウントダウン入札形式という新しい販売方法で、従来のLIVEコマースとは異なる購買体験を提供します。
セラーにとっての主なポイントをまとめると以下の通りです。
- 利用にはShop Start Up卒業・ONRR 0.7%未満などの条件がある
- 出品は常設出品と一時出品の2種類。一点ものには一時出品が便利
- 落札時に自動課金が走り、落札後のキャンセルは不可
- 中古品は古物商許可証が必須、3万円超のトレカは鑑定書も必要
- シル入札やギャンブル風の演出は禁止
- 量産品の定番販売ではなく、希少性のある商品の販売チャネルとして活用する
通常のLIVE配信の準備・運営方法についてはライブコマースの解説記事を、配信中のトーク構成についてはLIVE配信の台本の作り方をあわせてご覧ください。
LIVEオークションの活用を含め、TikTok Shopの運用全般についてお悩みの方は、TikTok Shop認定パートナー(TSP/TAP/CAP)であるU PLUSにお気軽にご相談ください。
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出典・参考
- LIVE Auction(カウントダウン入札)- TikTok Seller University
- SELLER TERMS AND CONDITIONS FOR LIVE BIDDING - TikTok Seller University
- LIVE BIDDING TERMS AND CONDITIONS - TikTok Seller University
- TikTok Japan公式note「LIVEオークション」ローンチ発表
※ 本記事の内容は2026年10月時点の公式情報にもとづいています。最新の仕様はTikTok Shopセラーセンターの公式ドキュメントでご確認ください。
U PLUSはTikTok Shop公式認定パートナー(TSP/TAP/CAP)として、出店の準備から広告運用、クリエイター施策までを一気通貫でご支援しています。現状のご相談だけでも構いません。
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